
今日6月29日は、『星の王子さま』の作者として知られるフランスの飛行士・作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの誕生日(1900年6月29日)にちなんで、星の王子さまの日とされています。
この物語の中には、人生の本質を突く数々の名言が散りばめられています。
実はこの『星の王子さま』の哲学は、私たちが暮らす「建築」や「住まいづくり」においても、最も大切なことを教えてくれているのです。
今回は、物語の名言と建築の共通点を紐解きながら、本当に豊かな空間とは何かを考えてみましょう。
〇「大切なものは、目に見えない」――建築における“空気感”と“居心地”

物語の中で最も有名なセリフといえば、キツネが王子さまに伝えたこの言葉です。
「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。肝心なことは、目に見えないんだよ」
現代の建築や住宅選びにおいて、私たちはつい「目に見えるもの」ばかりに気を取られがちです。
- 豪華な大理石の床
- 最新機能がついたシステムキッチン
- 洗練されたデザイナーズ家具
これらは確かに魅力的ですが、これだけで「最高の住まい」になるわけではありません。
・目に見えない「環境」をデザインする
建築における本当に大切なもの――それは、「光の入り方」「風の通り抜け方」「音の響き」「素材の肌触り」、そしてそこから生まれる「居心地の良さ」です。
どれだけ高級な家でも、冬に足元が底冷えしたり、風が通らず空気が淀んでいたりしたら、幸せな空間とは言えません。優れた建築家は、目に見える形(壁や屋根)をつくることで、実は目に見えない「空間の心地よさ」や「家族の気配」をデザインしているのです。
〇「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから…」――機能と情緒のバランス

王子さまと飛行士が砂漠を歩いているとき、二人はこんな会話を交わします。
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を一つ隠しているからだよ……」
建築において「井戸」とは、住む人の営みを支える機能(キッチン、浴室、収納、構造など)と言えます。
・美しさは、確かな機能の上に成り立つ
外観やインテリアがどれだけ美しくても、生活動線が悪く、雨漏りがするようでは建築として成り立ちません。砂漠の中に命を繋ぐ井戸があるように、建築の美しさは、「安全に、快適に暮らせる」という確かな機能や構造が隠されているからこそ、安心してその美しさを享受できるのです。
目に見える美しさ(情緒)と、見えない部分の品質(機能)。この両方が揃って初めて、建築は人の心を癒やす場所になります。
―私たちが目指すべき「星の王子さまの家」―
『星の王子さま』が教えてくれる建築の大切さ。それは、「スペックや見た目の派手さに惑わされず、そこで過ごす時間や五感で感じる豊かさを大切にすること」です。
これから家を建てる方、あるいは模様替えを考えている方は、ぜひ一度目を閉じてみてください。
「どんな色の壁にするか」を考える前に、「その場所で、どんな風に光を感じ、どんな風に大切な人と過ごしたいか」。
目に見えない大切なものを丁寧にすくい上げることこそが、あなたにとっての「世界で一番美しい建築」をつくる第一歩になるのではないでしょうか。
そして、ぜひこれを機に星の王子さまを読んでみてはいかがでしょうか?
新たな発見があるかもしれません♪
以上スタッフでした。
